流産について
子宮外妊娠
子宮外妊娠とは、どういう状態を指すのでしょうか。
子宮外妊娠とは、受精卵が子宮以外の場所に着床してしまい、発育することを言います。
普通、受精した受精卵は卵管の中で起こります。
この受精卵は、約1週間をかけてゆっくりと卵管内を移動し、
子宮の内腔へと移動します。
そしてその間に、どんどん細胞分裂を繰り返しながら発育していき、
子宮内腔へとたどり着くようなころになって、
ようやく着床できる能力を持つようになります。
しかし、何らかの原因でこの移動がなされない、
また、移動時間が予定よりかかってしまうことによって、
卵管や卵巣など、子宮内腔以外の場所で着床してしまうことがあります。
これを 子宮外妊娠と呼んでいます。
全妊娠のうち、1%前後で起こるといわれ、
発生頻度としては、流産の約10分の1に相当します。
子宮外妊娠は、受精卵が着床する部位によって、
(1)卵管妊娠 (2)卵巣妊娠 (3)腹腔(腹膜)妊娠
の3つに分類することができます。
このうち98%を、(1)の卵管妊娠が占めます。
つまり、子宮外妊娠のほとんどが、卵管妊娠ということになります。
もっとも多いとされる、卵管妊娠について、発生した場所により、さらに
(1)間質部妊娠 (2)峡部妊娠 (3) 膨大部妊娠
の3つに分類することができます。
では、子宮外妊娠には、どのような症状が見られるのでしょうか?
子宮外妊娠は、出血性ショックを引き起こす可能性のある、
妊娠初期の代表的救急疾患のひとつです。
しかし、子宮外妊娠といっても、妊娠に変わりはないのですから、
自覚症状としては、通常の正常な妊娠と、何ら変わることはないことが多いです。
つまり…生理が遅れている、胸が張る、悪阻がある、というような、
妊娠初期によく見られるの症状が、同じように見られます。
しかし、卵管に妊娠してしまった場合には、
卵管という狭い場所でそのまま発育し続けるというのは、不可能なことですから、
いずれ流産が始まるか、卵管が破裂するという事態を生じてしまいます。
しかし、その限界点に達するまでは、個々のケースにより様々であるため、
症状が現れる時期の早い、遅いに関しては、一概に何週ということは言えません。
子宮外妊娠の診断については、困難を極めるケースが多いです。
一般に、初期の診断ほど診断が困難なことが多く、
時間の経過と共に、診断が容易になってきます。
また、着床部位によって、症状の発生時期や重症度が異なります。
ほとんど無症状のものから、不正出血や下腹部痛を伴うもの、
突発性の激しい腹痛や多量の出血によりショック症状を起こしてしまう危険なものまで、
様々な症状が見られます。
子宮外妊娠の大部分を占める、卵管妊娠の場合、
時間の経過と共に、妊娠の継続が不可能となり、
卵管流産や卵管破裂といった症状が現れます。
卵管流産 とは、内胎嚢破裂ともいい、
多くは卵管膨大部の着床によって起こります。
胎嚢が破れ、胎芽が排出されます。
卵管壁内が出血するので、不正出血が見られ、下腹部痛を伴います。
卵管破裂 とは、大きくなってしまった受精卵に、
卵管が対応できず破裂してしまうもので、外胎嚢破裂ともいい、
多量の腹腔内出血を伴います。
量が多量であった場合、出血性ショックが起こる場合があり、
ママの命が危険にさらされることもあります。
そのため、早期の診断と、適切な治療が必要となります。
子宮外妊娠だということが確定してしまったら…
次はどのような治療が行われるのでしょうか?
治療は主に、二通りあります。
薬物による治療と、外科的治療(手術)です。
薬物による治療には、通常、抗ガン剤が使われます。
しかし、抗ガン剤は副作用が多いこと、
使用には細心の注意を必要とすることから、
現在ではあまり用いられていません。
治療後の再発防止、癒着防止といった観点からも、
根治的手術療法が行われるのが一般的です。
外科的治療(手術)として、もっとも考えられるのが、
卵管切除術です。
これは、子宮外妊娠を起こしてしまった側の卵管を、
切除するという方法です。
卵管を残すことができる場合に限り、卵管形成術といって、
卵管を保存的に手術する手法がとられることがあります。
これは通常、顕微鏡下によって行われるため、
高度な設備がある病院でないと行われません。
また、卵管形成術を使って卵管を保存した場合、
同じ場所で、再度子宮外妊娠を起こす可能性が、
少し高くなることを承知しておく必要があります。
いずれにしても、手術後の子宮外妊娠を防ぐため、
処置は十分に行う必要があります。
子宮外妊娠になったからといって、次の妊娠が望めないわけではありません。
子宮外妊娠の手術後、自然妊娠や不妊治療により、
正常妊娠〜出産に至った例は多くあります。
医師とよく相談し、
希望を捨てず、諦めずに治療を続けて欲しいと思います。
2006年03月07日 13:19