流産について

子宮頚管無力症

子宮頚管無力症とは、出血や下腹部痛など、流産や早産の時に
見られる自覚症状がまったくないまま子宮口が開いてしまい、
流・早産にいたってしまう病気です。

子宮頚管とは、子宮と膣とをつないでいる
長さ2〜3センチほどの菅で、通常、妊娠中はしっかり閉じていて、
分娩になると開いて、産道となる部分です。

この子宮頚管の長さを、子宮頚管長と言います。

この子宮頚管が弱く、開大しやすい状態が子宮頚管無力症です。
出血や下腹部痛など、自覚症状や子宮収縮を伴うことなく
子宮口が開いてしまい、胎胞がでてしまったり
前期破水、流産、早産へと進行してしまいます。

妊娠中期から後期、特に20週前後に多く、
後期流産の約20%を占めるといわれています。

自覚症状がないのが、子宮頚管無力症の大きな特徴です。
そのため、出血などで受診したときには、すでに子宮口が開ききっていて
赤ちゃんが出てしまう直前の状態が多いです。
痛みを伴う時もありますが、まったくないこともあります。
出血も直前までないこともあります。
下腹部や腰の違和感、水っぽいおりものが見られることもあります。


診断は、内子宮口の所見と、子宮頚管長の長さで判断します。
子宮口の開大は内子宮口から始まり、これにより子宮頚管が短くなります。
(この段階で発見できれば、予後が良好なことが多いですが、すべてではありません)

次に、内子宮口、さらに頚管が開き、頚管内に胎胞が入り込んできます。
胎胞とは、胎児ちゃんの頭と子宮頚部にはさまれた卵膜の中に羊水をためた
風船のように膨らんだもののことで、普通お産のときに形成され、
赤ちゃんを子宮収縮による圧迫から守ったり、赤ちゃんに先行して
子宮口を押し広げる役割を果たすものです。

この胎胞が子宮頚管に入り込むと、頚管はさらに短くなり、流・早産の危険が非常に高くなります。
(この段階で診断ができることもありますが、これもすべてではありません)

最終的に、子宮口が全部開いてしまい、赤ちゃんは出てしまいます。
週数によっては、赤ちゃんの救命は大変難しく、
たとえ救命できても、週数によっては予後が思わしくない場合があります。

子宮頚管無力症を予見することは、大変難しいと考えられています。
それは、子宮頚管無力症が、自覚症状なしに進行するからで、
この点で早産(子宮が収縮します)とは明らかな違いがあります。

前回の妊娠で既往が疑われる場合は、超音波検査で子宮頚管長を
きめ細かく測定し、子宮頚管長が短く、頚管無力症の進行が疑われる場合には、
頚管縫縮術(マクドナルドもしくはシロッカー法)が行われます。

子宮頚管無力症は、その後ほとんどが流・早産を繰り返します。
そのため、子宮頚管無力症と診断された場合には、
発症するまえに、子宮頚管縫縮術を行います。

★子宮頚管無力症について詳しい解説があるページ★

    東府中病院 子宮頚管無力症

2006年06月08日 14:32